台湾初心者の戯言

台湾の大学を卒業した日本人が、日本社会の荒波に揉まれていくさま

最近思うこと - しんどい辛いと、やる気がないは全く別物。

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台北の薄く雲かかった空を窓越しに眺めながら、誰にも邪魔されない場所で昼間から大好きな大滝詠一さんの曲を流しつつ、大好きなアイラモルトをグラスに注ぎぼーっと過ごしたここ3週間の週末、最高の一言。

ウイスキーをひとたび口に含めば、アイラモルトらしい潮の香りとあとからわずかにくる甘い優雅な香り、ノンピートだからピート香はないけどうわっとくるぐらいの潮の香りが最高に美味しいブルイックラディ・クラシックラディ。あー、早く一人暮らししたい。

よくわからない始まり方だが、このブログはウイスキーのレビューブログではないし、ぼくに文学青年的センスはないので、さっさと本題に。大好きな大滝詠一さんやナイアガラの話も、またの機会に。

大学に入ってある程度の時間が経つが、度々ぼくと同じような立場の「外国人学生」に対して疑問に思うことがあるので、それを記事にしたい。面倒だから「です・ます」調じゃないけど許して。

誤解を招かないように先に断っておくが、ある特定個人に対して誹謗中傷したり或いは個人攻撃をしているつもりではない。1-2人ではないってのと、ここで言っていることは記事にする前に先に本人に対して自分の意見を勝手に述べている。ひねくれた人間故、こうやって本人の知らない場所で一方的に言ったりするのが嫌いなので。

 
台湾の大学における外国人学生

まず台湾の大学についてだが、ぼくのような外国人学生というのは実は結構の数いる。では実際どのような学生がそのような分類を受けるかというと、まず「僑生」と呼ばれる華僑生。台湾人あるいは華人系の血を引くが、海外生活をしている華僑の学生たちは一般の台湾人学生は区別されて扱われる。華僑生は華僑生のコミュニティが存在するらしく、その中でも出身地・居住地でも結構厳格なコミュニティが存在するらしい。それ故華僑生は学内で一定の存在感がある。

次にぼくらのような、完全に華人系の血を引いてない外国人の学生。うちの大学では「外籍生」と呼ばれる、学校によっては「國際生」なんて呼ばれるらしいが、これもまた一般の台湾人の学生から区別される。華僑生ほど人数が多いわけではなく、かついろんな国からいろんな生徒が来ているので、華僑ほどのコミュニティはないように思える。最もうちの大学に限った話で、もっと規模の大きい大学では「韓国人学生会」「日本人学生会」なるものが存在するらしい。しかしうちの大学ではそういうものの存在は聞いたことがない、特に自分の学科は上から下までこの枠の学生がぼく一人しかいないので、ある意味浮いた存在になっているし、多い学科でも一学年5-7人ぐらいだろう。

これらの生徒が何故区別して扱われるかというと、実は入学時に求められる要求(試験とかね)が違うからである。そしてこれらの学生は、往々にして台湾人の学生とは違った権利を与えられることがある(学生寮の優先権とか、退学規定の基準が低かったり)。その代わり(?)国立大学の場合「外籍生」の学費は台湾人の学生や華僑生の倍払わなければならないとか、とにかく何かと区別されるのである。

ただ基本的には「僑生」「外籍生」に対しては、大学側からある程度優しい?扱いを受けていると言っていいだろう。それ故に、一部の台湾人学生からは嫌われる存在になり得る。あんまり強く感じることはないが、ただそういうこともあるよ。って友達から言われているし、実際自分もそれは仕方がないことではあると思う。

 
外国人学生は特権階級なのか。

上で説明した通りこれらの背景を踏まえた上で、ぼくは度々外国人学生、特に一部の「外籍生」に対して疑問に抱くことがある。

先日会計学の授業を受けている時もそんな事案があって、しばらくTwitterで愚痴愚痴言ってしまったのだが、

とまぁ、こんな感じに。見る人によっては誰のこと言ってるかわかるかもしれないが、別に彼に対して個人攻撃をしたいわけではない。

んでTweetを要約すると、

何故台湾の大学に来て勉強しているのに、最初から語学の壁を盾に甘えようとするの?それって許されるの?そういう態度は台湾人の学生に対して失礼じゃないの?

といったところ。台湾の大学に来てある程度の時間が経つが、このようなことをやる外国人の学生は、少なくとも2、3人は見てきた。何が恥ずかしいって全部日本人だったってこと。こんなことを言ってるぼく自身が、じゃあ台湾人の学生に対して失礼のない完璧な学習態度と語学能力を持ち合わせているか?と言われると、100%自信は持てないけど、90%はYESと言える。

まずこういう発言に関して何が問題かと思うと、これらの発言は60人以上学生がいる教室の中、みんなの前でこういう発言をしたということである。たとえクラスの中のほとんどが英語のテストでも問題ないとは言えど、ほとんどを台湾人学生で占める教室内でよくそんな発言ができるなってこと、せめてあとで教授と個人的に相談すればいいんじゃないかなって。

ただTweetでも主張しているが、本質的な問題として最初から語学の壁・外国人学生という盾を使っているところが、個人的に許せないことである。少なくとも当日ぼくがやりとりを見ていた時点で、自分で能動的に努力をします。って態度は見えなかった。そして何回も言うが、こういう学生が少なからず数人は存在しているってこと。

 
そら自分だって完璧じゃないし、苦労することばかりだけど。

同じ外国人学生として、語学能力の不足やそれを原因とした勉学面や生活面で苦労があることは同情できる。自分もこのブログでしょっちゅう言っていることだが、やはりしんどいし辛い。自分の語学能力が正直足りないのはわかっているつもりだし、それ故それ相応の結果は返ってくる、特に一年生の時はそれで単位を落としたりしたし、今では話を聞いてくれる教授たちにも「語学学校からやり直せば?」ぐらいのことを言われることもあった。本当に恥ずかしい話だが、これが現実である。それだけ語学能力が低かったってことだけど。

ただたとえ語学能力どうこうあれ、それを埋める方法はたくさんあるのである。語学能力をそもそも底上げする、自分の母国語で資料を集めて勉強する、友達の助けを借りる、先生に相談してわからないところを質問したりする。これらのことは正直めっちゃしんどいし大変だし、ある意味時間の無駄だけど、それでもダメな時はダメであるけれども、これら全部をやってきた、特に大学一年生の時は。

そして少なくとも台湾人の学生を超えれぬとも、一緒の大学にいて恥ずかしくないレベルの努力はしてきた。でも過程なんかどうでもよくて結果が全てだから、なんとか最後に結果は出した、それでも単位は落としたけどね。何回も言うがほんとしんどかったし、それは卒業までずっと続くしんどさだと思う。全ての原因は自分だけど。

こんな書き込みを台湾留学している関係者に見られたら、それこそ石を投げられそうな内容であるのだが、これが自分の正直な話である。

最初から「外国人なんで…」そんな発言は、個人的にはありえないと思う。自分が努力しているどうこうじゃなくて、台湾人の学生達や外国人ながら努力して授業を理解している学生がほとんどなのに、そういうある意味では無神経に聞こえる発言は、彼らの学ぶ態度や姿勢を冒涜する発言に他ならない。そして、これらの発言がみんな自分と同じ

「日本人」からされているということに、非常に怒りと羞恥を覚える。さっきの通り、自分も人のこと言えないけど。

 
大学は義務教育ではなく、高等教育機関。

結局ここに行き着くと思う。大学は小学校中学校のように義務教育ではないし、やる気がないなら休学するなり退学すればいい。

しかし日本では特に就活予備校のような存在になりつつあるし、実際勉強が好きでない自分が大学に行っているのも、将来仕事を探すためってのが理由の50%を占めていたりするのだが。

ただそうであれど大学は義務教育ではないが故、ある程度の結果と態度が求められるわけである。ましてやぼくら外国人学生は、台湾人学生とは違う扱いを受けている。それらを考慮すると余計に「態度」が求められている、と言っても過言ではないと思っている。

 
台湾に限った話じゃないけど、留学をする前によく考えてほしい。

先ほど言った通り大学は義務教育機関ではないし、ましてや好き好んで自分のベースを離れ、経済的・語学的等様々な負担がある留学という選択をする必要は全くないのである。留学先は決してぼくらを呼んでいない。留学エージェントは呼んでいるかもしれないが、エージェントと大学は別モノだから。

確かに台湾の大学は様々な要因から「外国人学生」という存在を欲している側面があると、台湾人の知り合いから聞いた事がある。

ただそういうバックグラウンドがあるにせよ、別にやる気のない学生までをもほしがっているとは思えない。

結局は自分の意思で、わざわざ負担のかかる留学という選択をしているわけである。それ故に、日本で勉強する以上にそれなりの態度とか、モチベーションとかは大切だと思う。別にぼくは意識高い人間じゃないし、大きな目標とかそんなもんは一切ないに等しい。だけども、常に気を遣っていることは、勉強に対するモチベーションの維持、或いは留学という行為に対するモチベーションの維持である。

レベルの低い大学で最低限の勉強で成績がとれるような場所にいるなら、別にそこまで気にしなくてもいいかもしれないけども、外国人学生がいるような学校というのは基本的にそこそこのレベルの学校である。

最初から頭が良くて結果を残せているなら、それは完璧だし本来あるべき姿である。

ただそれが最初からできないのなら、必死に努力して最低限恥ずかしくない結果を出さないといけないのである。惰性で過ごし、外国人なんで。っていうわけのわからない盾で自分を守ろうなんて、言語道断だと思っている。

もしそれができないんだったら、別に好き好んで留学に来る必要なんてない。ただ留学しました!って経歴がほしいだけで、現地で惰性で過ごすんだったら、それは現地の学生や他の真面目に勉強している留学生達に非常に迷惑だし、そういう彼らの態度を冒涜することになるから。

もしくは最初から勉強はそこそこで、たくさん遊んで文化を学びたい。とかそういう目標を持って留学先では最低限OKな成績をとる。そういう風にしてほしい。

何がイライラするって、そういう惰性で生きているやる気のない連中に限って、外面はいいのである。「留学って大変ですけど、得ることたくさんあって〜。でも充実してていいですよ〜」みたいなことを言うのである。

そうやって次々と被害者を生み出していくような人たちは、どうぞさっさと大学やめて台湾で違う目的で過ごしていただくか、それか帰っていただくかしていただきたい。

 
反面教師として

最後語気を強めてしまったが、ほんとに留学を考えてる人たちは、大きな目標とかきれいな目標とか意識高い目標とか、そういうのはいらないと思うけどモチベーションをいかに維持するか、ってことをよく考えてそれをある程度覚悟してほしい。でないとぼくのような、辛いしんどいしか言わない留学生になってしまうので。

そして何より、「やる気のない」留学生にだけは自分自身なりたくないし、そういう人たちが増えてほしくない。

今回書いていることも、ある部分では自分のできていない理想を語っている部分もあるし、またそういう留学生達をただ蔑むだけでなく、反面教師として改めて自分のモチベーションを維持していきたいと思う。

 
雑談

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台北は3月にして、すでにほぼ毎日夏日。めずらしくいい天気が続いているけど、とにかく暑い。おいしくない台湾ビールを飲みながら、しんどい暑さで死なないように頑張ろう…。 

 

そういえば以前法律が無理って話をしたけど、今学期も相変わらず法律が猛威を振るっているので、もし法律関係に明るい方がいらっしゃったら、ぜひアドバイスください。

opera-two.hateblo.jp

Hsiao-Jen.